「E30の反逆」の第5弾、ジャーマン記事2008年12月の改訂版です。
皆さん、こんにちは。
今回は、アーシングについてです。
皆さんもご存知の通り、アーシングは自動車に帯電している電気をスムーズにバッテリーに戻す事を目的としています。
これにより、バッテリーに対する負荷を和らげ自動車本来の性能を出しやすくでき、バッテリーの延命にもつながる。
原理的には何となく理解できますよね。
要は「プラスの出る量」と「マイナスに帰ってくる量」は同じなのだから、「入口」と「出口」を同じ大きさにすれば抵抗が無いでしょって事ですね。
正直、自動車のアースというと電装品(点火系統や燃料系統なんかも含みます。)の方に目が行ってしまいがちで、アースは「ボディに落とす」というイメージがプロのメカニックであっても強かったと思います。
しかし、この考えの凄いところは「ボディ」=「アース」と言う考えから「ボディ」から、「アース(バッテリーのマイナス)」をスムーズにすると言う考え方に変えているところです。
車はゴム(絶縁体)で出来たタイヤによって地面から常に浮いている状態ですよね。
ボディーアースするといっても、そのボディ自体が浮いているわけだから、電気的に見るとグランド(0V)が浮いちゃっているのと変わりません。
車の中にある電装品には点火機系も含まれ、浮いたグランド状態では本来の性能を発揮しきれない。
そこで、浮いているグランドをバッテリーのマイナス(0V)に確実に戻す道筋を作ってやることで電気を安定させようって発想。
まさに「コロンブスの卵」的な発想だったのです。
「つたえファクトリー」では当時この商品の実験を行ってはいなかったのですが、「燃費が向上」「パワーアップ」と言う様々な意見を色々なところから聞き、技術職として一度は試しておこうという事になり2007年秋から実験を開始。
まず、E-36 325i 94年モデルで、アーシングの効果を検証しました。
こちらではヘッドカバーを含む18箇所にアースポイントを設置(その内、ノーマルとの入れ替えが4箇所)、全てをボディ側のアースポイントに取り付けアースポイントからバッテリーへのアースも増設しました。
結果はなんと、「加速力向上(しかも体感できる位)、燃費も0.3~0.5km伸びていました」というもの。
効果があることが立証されたので、ここから更に実験を進め、必要なアースポイントと必要ないアースポイントを見つける実験を試作品で繰り返し、
最終的に、最低限必要と思われるアースポイントを割り出し、テスターで計り確認をして実験は終了。
実験データをもとに、E36用のアーシングキットをオリジナルパーツとして商品化しました。
このE36でのデータを元に、今回のE30のアーシングを行っていきます。
最近の車の多くは電子制御が多いことから、アーシングというか電気的な要素も十分考慮された設計がされています。
そのため、アーシングは古い車ほど効果が大きく見られるという傾向があり、E36よりも古いE30には期待が高まります。
まず、BMWの車輌に元々装着されているアース線を、太さにあわせて入れ替えます。(細すぎるヘッドカバーの部分などは太くします。)
これは、既存のアースを基本ベースとして考え、「オリジナル」の集中アースを増設することでアース機能を補強する為です。
次に、補記類の帯電してしまいそうな場所(ここは以前の実験データを基準にします)にアースポイントを増設します。(電源ラインの電気の流れを補正する目的)
そして、試運転で加速力のテストをします。
試運転後、増設したアースをテスターで確認し、必要ないと判断した箇所は取り外します。
この作業を何度か繰り返し、一番フィーリングが良かったもので燃費の実験に入りました。(ここは感覚的要素満載ですね)
で、気になる結果ですが・・・
燃費に関しては向上し、リッターあたり約1km伸びました!!
ただ、加速力(フィーリング)の面に関して言うと、あまり変化がありませんでした。
これは既にハイコンプ(高圧縮)に改造してあるためかもしれませんね。
ちょっとばかし歯がゆい結果になりましたが、燃費向上(ECO)には少なくとも効果があることは確かです。
原油価格高騰により、ガソリン代も高くなっています。
燃料代の節約は、車を維持する上でも重要ですよね。
燃費についてお悩みであれば、皆さんも是非、一度検討してみてください。
それでは、また次回お会いしましょう。
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